サイエンス社「数理科学」2016年10月号
Weaving pattern with random walk
今月の絵は織物を作るときの設計図となる「組織図」と呼ばれるものです.絵の下と右,および右下にある表によって糸の通し方や踏み木の踏み方が決まり,タテ糸とヨコ糸の絡み合いが模様を生み出しています.実はこの模様は表から得られる行列の積によって決まります.行列が対称性を持てば,模様にも対称性が表れます.今月号の特集テーマであるワイルは,「対称性」に関する多くの偉大な仕事を残していますが,それにちなみ,ランダムウォークと対称性によって模様を作りました.